国際バカロレアについて簡単に分かりやすく!【まとめ】

国際バカロレアを簡単に
国際バカロレアについて、その要点と全体像を理解できるように、 分かりやすく解説します! そろそろ中学受験や高校受験も目前に見えてきたりしてくると、 子供の進路についても真剣に考える時期に差し掛かってきますよね。 もしくは、そのような時期が来るのを見越して、 まだ子供が小さいころから将来の進路について考えを巡らせているご家庭も多いかと思います。 そして、そんな進路探しの中で、 海外への進学を考えているという方の中には、 「国際バカロレア」 というワードを何度か目にした事があるかもしれません。 しかし、この「国際バカロレア」については、 なかなかその理解から全体像をつかむのが難しく、
  1. 国際バカロレアって何?難しくてよく分からない。。
  2. 国際バカロレアについては何を知っておくべき?
  3. 日本でも国際バカロレアの教育を受けることができるの?
というのが、多くの親御さんの本音ではないでしょうか。 そこでこの記事では、 国際バカロレアに対するそんな悩みや疑問点にお答えしていく形で、 簡単に分かりやすく、その内容を全体像を理解できるように解説していきます! それでは早速行きましょう!♪

国際バカロレアとは?その成り立ちから理念など

国際バカロレアとは、1968年にスイスで設立された非営利団体で、 国際バカロレア機構によって運営されています。 それまでは、大学の入学試験の仕組みが国によって異なることが原因で、 せっかく高い能力があってもその仕組みの違いが理由で入学ができないといった事が、 多くありました。 そうしたことは、その学生にとっても、受け入れる側の大学にとっても 機会損失であるということで、 世界統一学力・世界統一試験を作ろうとした。 というのが国際バカロレアの始まりです。 国際バカロレアのプログラムを経て、 見事に大学入学資格と成績証明書を得ることができれば、 国際バカロレアを受け入れている大学であれば、 世界中のどの大学にも入学することができるのです。 実際、世界のTOP大学が、国際バカロレアを入学者の選抜に用いるようになっており、 その実績が伺えます。 そして、国際バカロレアが掲げる「全人教育」という理念は、 世界中から高い評価を受けています。 この全人教育という教育理念では、
思考力・表現力に重点を置いた高い知的水準の達成、異文化に対する理解と尊重をつうじ、より 良い世界の創造のため、探究心旺盛で、聡明かつ思いやりこある若者を育成。
と謳っているように、 学力だけでなく、人間力を含む、幅広い知識と教養を身に着けるということを目標にしているのです。

なぜ今、国際バカロレアに注目しておくべきなのか?

それではなぜ、いま国際バカロレアに注目しておくべきなのでしょうか。 それは今日本でもこの国際バカロレアの導入を国家レベルで真剣に取り組み始めているからです。 実際、平成25年6月に閣議決定された「日本再興戦略 -JAPAN is BACK-」に基づき、 2018年までに日本における国際バカロレア認定校を200校に大幅に増加させることが、 目標とされています。 後程、日本での国際バカロレア導入状況について解説をしておりますが、 既に多くの教育機関で国際バカロレアの実施がされており、 日本から海外の大学へと進学するという選択肢が、 一昔前よりもかなり身近なものとなりつつあるのです。 小さいお子さんをお持ちのご家庭で、 子供が中学生・高校生と大きくなって、海外への進学を真剣に検討するようになった時には、 この「国際バカロレア」が当たり前のように語られ子供も取り組んでいるようになっているかもしれません。 つまり、私たち親の世代が経験してきた受験・進学環境が、 これから大きく国際基準へと変わろうとしているのです。 そのため、このブログの読者の方のように、 子供への英語教育に熱心の親御さんは、 この「国際バカロレア」について一定の理解と知識を持っておくと良いと思います。

国際バカロレアの教育内容の紹介

それでは次に、国際バカロレアの教育内容が、 日本の学校教育とはどのように異なっているのかを見ていきましょう。 まず、国際バカロレアでは教育内容として3つのプログラムに分かれており、 それぞれ、
  1. 3歳から12歳を対象にしたPYP(プライマリー・イヤーズ・プログラム)
  2. 12歳から16歳を対象にしたMYP(ミドル・イヤーズ・プログラム)
  3. 16歳から19歳を対象にしたDP(ディプロマ・プログラム)
とされています。 日本の学校教育に当てはめると、 幼稚園・小学校が、PYP、 中学校がMYP、 高校がDPとなります。 それでは、これらPYP・MYP・DPについてそれぞれ見ていきましょう。

PYP(プライマリー・イヤーズ・プログラム)とは?

PYPプログラムとは、3歳から12歳の子供、 すなわち日本で言うと幼稚園から小学校高学年までを対象にした、 教育プログラムです。 その目的としては、 探求する人としての基礎教育、そのために必要な知力、体力、精神力のバランスが取れた人間になることを目指す。 とあるように、「全人教育」としての理念が伺えます。 PYPと日本の学校教育との間の大きな違いは、 日本のような教科ごとの授業ではなく、 教科横断での複合的な視点からの教育が行われるという事です。 より具体的には、PYPでは、以下の6つのテーマを探求することを目標に、 その手段として以下に述べる6つの視点を複合的に組み合わせて 教科融合型の授業を作り出すのです。
PYPで探求目標とされる6つのテーマ
  1. 自分自信について
  2. 私たちが置かれている場所や時代について
  3. 自己の表現方法について
  4. すべての事はどのように機能しているかについて
  5. 社会を体系付ける方法について
  6. 地球に共存する術について
上記テーマを探求するための手段として6つの学問的視点
  1. 言語的視点
  2. 社会学的視点
  3. 数学的視点
  4. 芸術的視点
  5. 科学的視点
  6. 体育・道徳的視点
どのように、教科融合型の授業が作られるのかというと、 例えば「震災復興」を題材に、 「すべての事はどのように機能しているかについて」という探求テーマを、 学問的視点である「科学的視点」と「社会的視点」を織り交ぜて、授業が作られたりします。 この授業を通じて子供は、 「科学的視点」から、震災がどのように生活に影響を与えるのかを探求し、 さらに「社会的視点」から震災からどのように生活が復興していくのかということを探求します。 こうした視点からの探求を通して、テーマとしての「すべての事はどのように機能しているのか」という事を子供たちなりに解釈するのです。 日本の授業が、国語・算数・理科・社会、といったように科目ごとに授業が分かれており、それぞれが独立に評価されるのとは、 様相がかなり異なっているという事がお分かり頂けると思います。 そして、このような融合型の授業によって、 上記の「6つのテーマ」を1学年を通じて学んでいくのです。 つまり、こうした濃い時間のセットが、12歳になるまで繰り返されるわけです。

MYP(ミドル・イヤーズ・プログラム)とは?

次に、MYP(ミドル・イヤーズ・プログラム)の説明です。 MYPは日本でいうと中学生の年齢である、12歳から16歳を対象にしたカリキュラムで、PYPと同様母国語で学ぶことができます。 位置づけとしては、続くDP(ディプロマ・プログラム)の基礎的な位置づけであり、PYPよりは難易度・範囲ともに広がります。 PYPでは6つの視点からでしたが、DPでは2つ加わり8つの学問的視点から、探求テーマとしての5つのテーマについて学んでいきます。
MYPで探求目標とされる5つのテーマ
  1. 学習の方法
  2. 人間の創造性
  3. 共同体と奉仕
  4. 多様な環境
  5. 健康な社会教育
上記テーマを探求するための手段として6つの学問的視点
  1. 第一言語(母国語)
  2. 第二言語(外国語・日本だと主に英語)
  3. 人文科学(歴史や地理)
  4. サイエンス(生物、物理、化学など理科的科目)
  5. マス(数学)
  6. アート(芸術)
  7. 体育
  8. IT
「全人教育」という理念や、教科融合型であるという事は、 先に紹介したPYPと同じです。 一方で、新たに学校行事やボランティアといった課外活動にも重点が置かれており、 生徒たちが共同体の一員としての役割や責任を自覚し、 他者とともに協力しながら生きていくという力を養うことにも注力がされているのがMYPなのです。

DP(ディプロマ・プログラム)とは?

最後に紹介するのが、DP(ディプロマ・プログラム)という、 日本で言うと高校生の年齢の生徒を対象にした学習カリキュラムです。 16歳から19歳までを対象にした短期集中の高度なプログラムとなっており、 大学入学の準備という様相が強くなります。 DPでは以下に紹介する「6つの教科グループ」から1科目ずつを選択し、 合計6科目のうち、3科目をハイヤーという高度なレベル設定に、 残り3科目をスタンダードという標準レベルの設定にして受講する必要があります。 日本では、大学受験にあたって、「文系・理系」の区別をつけますが、 国際バカロレアではそのような区別をせずに、 あくまでも文理の区別をつけない文理横断的な科目構成になっている点に注目です。
DPでの6つの教科グループのその内容
  1. 言語と文学(言語・文学・演劇)※日本の場合は日本語
  2. 言語習得(初級語学)※日本の場合は主に英語
  3. 個人と社会(ビジネス・経済・地理・歴史・情報テクノロジーとグローバル社会・哲学・心理学・社会と文化人類学・宗教・グローバル政治)
  4. 実験科学(生物・化学・デザインテクノロジー・物理・環境システム)
  5. 数学とコンピューター科学(数学スタディーズ・数学スタンダード・数学ハイヤー・コンピューター科学)
  6. 芸術または選択科目(音楽・芸術・ダンス・フィルム・演劇、もしくは①~⑤のグループから一科目を追加)
そしてDPではこれら6つの教科グループからの6つの科目の履修のほかに、 下に紹介する3つのカリキュラムも追加的に受けることが義務とされています。
DPでの教科以外の3つの必須カリキュラム
  1. 課題論文いわゆる卒業論文で、選択した6つの科目の中から1つを選び、それについて論文を執筆する。
  2. 知の理論(TOK -Theory of Knowledge-)まだ解決されていない問題を設定し、それについて、様々な分野を活用しながら自分なりの結論を導き、プレゼンテーションと論文を作成する。
  3. 課外活動(CAS -Creativity, Action, Service- )ボランティア活動やスポーツ活動を通じて、学校内外の広い社会との協同活動を通じて、協調性や思いやり、実践スキルを身に着ける。
これら3つの教科以外のカリキュラムでは、 教科と異なり自分でほぼ100%考えて実践しなくてはいけないため、 まったく異質な能力が求められているといえるでしょう。   海外進学

世界のTOP大学への入学切符となる「DP」に注目!

そして将来的に海外への進学を考えていらっしゃるのでしたら、 特に注目すべきは「DP」です。 なぜならば、このDPが日本の高校でこれから本格的に取り入れられることとなっており、 またこのDPのカリキュラムの最後に行われる「世界統一試験」がまさに世界の大学への切符となっているからです。 この「世界統一試験」の概要を簡単に紹介しますと、 各教科は1点の「Very Poor」から7点の「Excellent」の間で評価され、 その6教科合計の42点に、 先ほど紹介した、「課題論文」「知の理論(TOK)」「課外活動(CAS)」がそれぞれ1点ずつ加わり、 合計45点を最高得点として評価されます。 また、最低24点で、DPの修了資格を手に入れることが可能です。 つまり、このDPの修了資格と、成績証明書さえあれば、 国や文化問わず、世界中の大学に入学申請を出すことができるのです。 これがいかに画期的かが分かるかと思います。 実際、東京大学でも出願資格として、国際バカロレアが認められており、 これによって日本ならではの、センター試験など複雑な選抜プロセスを経なくても、 成績が優秀でさえあれば十分に出願と入学が認められているのです。 これは日本だけでなく、海外の大学にももちろん当てはまり、 これまで日本人がアメリカの大学に入学するとなると、 そもそもその方法の検討すらつかないというのが、 ほとんどの方の状況だと思いますが、 国際バカロレアの資格さえあれば、正しい順序を踏めば、 しっかりと出願して入学選抜のプロセスに入ることができるのです。 そして、この国際バカロレアのDPが、 2018年度には、日本で200校の高校に導入されることとなっており、 この流れは今後ずっと続くと思われます。 この国際バカロレアの恩恵で、 近い将来、大学への進路が日本だけでなく、 海外の大学へも簡単に進学できるような未来が来ようとしているのです!!

国際バカロレアの資格で進学できる大学とは?

それでは、国際バカロレアの資格を使って、 出願ができる海外大学にはどのような大学があるのでしょうか。 それは、現在ではほとんどの有名海外大学では国際バカロレアの使用が認められていると思って頂いても問題ないでしょう。 実際、以下に挙げるような超有名海外大学が国際バカロレアを認めれていることからも、 いかにこの資格が有効であるかがお分かり頂けるかと思います。
  • ハーバード大学
  • スタンフォード大学
  • ケンブリッジ大学
  • オックスフォード大学
  • イエール大学
  • コロンビア大学
  • その他多数
これら有名大学以外にも世界中で2500以上の大学で入学審査を受けることができるのです。 もちろん、国際バカロレアの資格さえあれば入学できるというわけではなく、 成績の高さや、活動の実績、人間としての素養などが総合的に判断されて、 海外大学への入学は認められます。 大学のレベルが上がれば上がるほど、その入学難易度は高くなると思ってよいでしょう。 しかし、これまで国ごと・大学ごとに大きく違っていた出願方法が、 国際バカロレアによって統一されてきていることは、 ものすごく意義のあることです。 近い将来、日本人にとっても、海外への進学という選択肢が、 周りとは異質の特別なものではなくごくごく身近な選択肢となってくるでしょう。

日本における国際バカロレアの現状とこれから

それでは日本において国際バカロレアの導入実績はどのようになっているのでしょうか。 DP導入に限っていうと、現在ではネット上では以下の高校が国際バカロレア認定校として登録されています。 ・学校教育法第一条に基づき設置された学校(一条校)
学校名所在地
仙台育英学園高等学校宮城県
茗渓学園高等学校茨城県
ぐんま国際アカデミー高等部群馬県
筑波大学附属坂戸高等学校埼玉県
玉川学園高等部東京都
東京学芸大学附属国際中等教育学校東京都
東京都立国際高等学校東京都
開智日本橋学園高等学校東京都
武蔵野大学附属千代田高等学院東京都
法政大学女子高等学校神奈川県
山梨学院大学附属高等学校山梨県
ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン長野県
加藤学園暁秀高等学校静岡県
名古屋国際高等学校愛知県
立命館宇治高等学校京都府
大阪女学院高等学校大阪府
関西学院千里国際高等部大阪府
AIE国際高等学校兵庫県
AICJ中学校・高等学校広島県
英数学館高等学校広島県
リンデンホールスクール中高学部福岡県
沖縄尚学高等学校・附属中学校沖縄県
  ・学校教育法の管轄外(一条校ではない)の一覧 (※)一条校ではない場合、日本の公教育の範囲から外れるため、授業料が一条校より高くなります。また、DPから海外大学への進学では関係ありませんが、PYPやMYPの場合、日本の義務教育課程を受けたことにならないため、日本への公立高校への出願ができないなどの注意点があります。
学校名所在地
つくばインターナショナルスクール茨城県
アオバ・ジャパン・インターナショナルスクール東京都
インディア・インターナショナルスクール・イン・ジャパン東京都
K.インターナショナルスクール東京東京都
清泉インターナショナル学園東京都
セント・メリーズ・インターナショナル・スクール東京都
サンモール・インターナショナル・スクール神奈川県
ホライゾン・ジャパン・インターナショナルスクール神奈川県
横浜インターナショナルスクール神奈川県
名古屋国際学園愛知県
同志社国際学院初等部・国際部京都府
関西学院大阪インターナショナルスクール大阪府
カナディアン・アカデミー兵庫県
マリスト国際学校兵庫県
広島インターナショナルスクール広島県
福岡インターナショナルスクール福岡県

(参考)❒国際バカロレア 日本での展開 Wikipediaより

このように、日本でも既に多くの教育機関で国際バカロレアの認定がされており、 既に日本から海外大学への門戸は従来よりも分かりやすく開けている状態です。 しかし、まだ十分なものではなく、国家レベルで今後どんどん国際バカロレアの認定校を増やしていくように動いているので、今後に期待できますね。  

ー***ー

 

国際バカロレアの導入で、今後もっと世界への門戸が開けていく!(まとめ)

以上いかがでしたでしょうか。 簡単にまとめると、 国際バカロレアのDP認定校への進学で、 世界統一テストを受けることができ、良い成績で修了すると、 世界中の大学に国や大学別の複雑なプロセスを経ることなく、 以前よりも簡単にまとめて出願できるようになった。 という事です。 これからの世界は、日本も含めより「狭く」なっていきます。 その分、いままで遠い存在だった事も、ずっと身近な存在へとなってきます。 海外への進学もその身近になることの1つです。 親としても子供としても、日本における学歴至上主義の狭い世界から抜け出して、 もっと視野を海外に向ける必要があるでしょう。 結果として、ただ「日本の大学の偏差値基準で決める進学先」から、 「将来をかけて探求していきたいことを一番探求できるような、学びの場としての進学先」 とのように、日本にとらわれず世界規模で一番最高の進学先を一緒に考えてあげれると良いです。 そんな、子供たちが自分で自分の未来を決めていけるように導いてあげる、「ファシリテーター」としての姿が望ましいと思います。 その中で、もしお子さんが海外への進学などにも興味をもっていそうでしたら、 「国際バカロレア」という手段もあるのだよと、ちょっとほのめかしてあげれるといいですね♪ 最後に国際バカロレアの海外公式サイトのURLを添付しておきますので、 もしご興味がおありでしたらご覧下さい。 ❒国際バカロレアの海外公式サイトはこちら
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